一覧へ戻る

プロが教えるTIPS

モニタリングで重視すべきことは?

   

そのセンターに求められているのは何か

 

モニタリングは、統一した評価基準を設けて実施することが重要です。したがって、評価基準の策定を間違えると効果は得られません。モニタリングは多くのセンターで実施されていますが、従来はマナー評価が主流でした。「きちんと挨拶ができているか」「聞き取りやすい声か」「聞き取りやすいスピードで話しているか」などが評価項目の代表例です。しかし、顧客が求めているのは、必ずしも正しいマナーの応対とは限りません。

 

例えば、ネットサービスやパソコン、ソフトウエアなどのヘルプデスクに寄せられる利用者の声は、「電話のつながりやすさ」「一度の電話でトラブルが解決すること」「コミュニケーターが商品について十分な知識を備えていること」などです。

つながりやすさは、センターのインフラに起因しているので、運営レベルで解決しなければなりませんが、その他の要望では、感じの良い対応よりも応対内容を重視しています。これは、ヘルプデスクでは「問題を解決する」ということが最も重視されるからです。

しかし、近年、「コンタクトセンター」と呼ばれるようになってきていることからもわかるように、コールセンターは顧客との接点全般に関わるようになってきています。センターの役割も、商品の案内からアポイントの獲得、セールスのクロージングまで販売のあらゆるフェーズで機能し、サポートという形で商品(サービス)の中核となりつつあります。

その結果、顧客側・企業側相互のコールセンターに求めるニーズは多様化しており、モニタリングは、顧客視点・企業視点の両方をバランス良く取り入れることが重要です。

たとえば、ロイヤルカスタマー向けのケアを行うセンターでは、顧客は自分が特別な存在だと自覚しており、手厚くケアされることを期待しているため、感じのよい応対は依然として至上命題です。しかし、企業は基本的に収益貢献型のセンターを求めています。

   

コールセンターの機能や位置づけによって変わる収益貢献

収益貢献とは、1件でも多い成約(セールス)を獲得(あるいはそれに貢献)する、または1件でも多く離反(解約、他社へのスイッチ)を防止することであり、さらに運営コストの効率化も含んでいます。ただし、どういう顧客を獲得するのか、何件獲得するのか、1件の対応にどれだけ時間を割くかはその企業の業種や商品の内容、コールセンターの機能や位置づけによって変わります。

高額商品を扱うセンターは、1件の獲得に投下できるコストが大きくなり、消費財の場合では、効率的な処理が求められます。さらに、新規顧客獲得か、既存顧客維持かによっても異なり、同業他社の対応やクライアント企業の求めるレベルも影響してきます。

実際、コールセンターの顧客対応レベルは業界によって大きく差があり、例えば、健康食品や通信キャリアは、電話によるコミュニケーションを早くから重視してきたため、業界全体の対応レベルが高いと言えます。

このように、顧客視点と企業視点でのモニタリングを見ると、どちらも多様化の一途をたどっており、対立する場合も少なくないと考えます。過剰な顧客視点重視型は運営コスト増加を避けられず、過剰な企業視点重視型は顧客の利便性を損ないます。

モニタリングは両者の要望を満たす「落としどころ」やウエイト付けを決めることが重要となるでしょう。

 

『モニタリング調査』の詳細を見る

一覧へ戻る

お問い合わせ

CONTACT

ご質問やご相談を承ります。
どうぞ、お気軽にお問い合わせください。

電話でのお問い合わせ

03-5432-9217

営業時間 9:30~17:30
(土・日・祝日は除く)

WEBでのお問い合わせ

お問い合わせフォーム