モニタリングの進め方(事例)
効果的なモニタリングの進め方
漠然としたモニタリングは何の成果も生みません。モニタリングで効果を得るには、担当者とのヒアリングからセンターのビジョンを具体化し、評価する側もされる側も理解しやすい明確な評価基準を盛り込んだチェック項目を作成することが重要です。また、センターの課題を抽出し、課題に即した評価指標を策定することも大切です。
そうすることで、コミュニケーターの品質向上を促し、営業成績の伸びにもつながって、管理者に大きなインパクトを与えます。
以下に、あるクライアントでのモニタリングの進め方の事例をご紹介します。
1)担当者とのヒアリング:センターのビジョンの確認/明確化
2)モニタリングチェック(1回目):応対品質のチェック、全体傾向と問題点の顕在化
3)フォローアップ研修(エージェント基礎研修):目指す方向性でスキルアップ教育
4)モニタリングチェック(2回目):1)と2)の成果検証、課題の発見
5)フォローアップ研修(管理者向け研修、体験型):フィードバック/指導方法を教育
モニタリングから得られた効果
1)から5)まで約4ヵ月という、かなりスピードアップしたプログラムでしたが、その効果は現場から管理環境まで組織を横断した形で、顕著に表れました。また、実際の効果は、以下の通りです。
①目指すべきコールの明確化と共有ができた
・どのような言葉、どういったトークの流れの良し悪しが明確になった。
・技術的な指標が明らかになった。
・望ましいコールの抽出につながり、センター全体で共有ができた。
②コミュニケーターの意識の変化があった
・常に「良いコール」に近づこうとする意識をもって業務にあたるようになった。
・マンネリ化していたセンター内の雰囲気が改善し、モチベーションがアップした。
・セールスプロセスの一部としての役割をより意識するようになった。
・自分のコールがセールスにどのような影響を与えるかを考慮するようになった。
・CS(顧客ニーズ、顧客ケア)マインドが芽生えた。
③トーク技術が向上した
・声や話す言葉、会話の流れなど、全般的にトークスキルが改善された。
・コミュニケーター自信がトークスキルの進化を自覚した。
④営業成績が向上した
・最終成約が改善(当社実績:営業目標の達成者率が約5倍に増加)された。
⑤管理環境が改善された
・主観に左右されない、平等かつ具体的な評価とフィードバックが可能になった。
・全体的に不足しているスキルや知識が明らかになり、教育の方向性が明確化した。
⑥コミュニケーターの人事評価基準の見直しができた
・営業成績に加えて、顧客マインドなど新たな基準の導入を検討する必要性が明確になった。