ロールプレイングの手順とは?
ロールプレイングの効果的な進め方
ロールプレイングは多くのコールセンターで実施されている一般的なトレーニングですが、ポイントを押さえることで、通話内容の理解から技術的な部分の練習まで、より高い効果を得ることが可能です。ロールプレイングは以下の手順で実施してください。
1)コールの目的・目標の理解
コールの目的(何のためのコールか)、目標(数値目標が設定されている場合は具体的な数値も)をコミュニケーター全員に理解させます。このとき、コールセンターのミッションやKPIと矛盾しない内容であることが重要であり、コミュニケーターに自分の役割をしっかりと理解させてオペレーションに臨むことが大切です。
2)スクリプトの(概要)流れ/ポイントの説明
次に、スクリプトの概要やポイントとなる部分を説明します。ここでは言葉遣いなどディテールには踏み込まず、概要を理解させる(例:「挨拶や本人確認のあと、用件の説明をし、商品のメリットを説明します…」)ことを心がけて下さい。全体の流れを理解させた後、そのコールの重要ポイントを説明します。
例えば、アウトバウンドコールの場合、顧客にとっての商品メリットや、お勧め方法などがポイントになります。サブスクリプトやターゲット別のメリット一覧や切り返しトーク集などを使用する場合は、そのツールや使用箇所についての説明も必要です。
3)スクリプトの詳細説明
続いて、スクリプトの詳細を説明します。メインの流れだけでなく、一定以上の使用頻度が見込まれるトークを1つひとつ内容説明を行いましょう。これを怠ると、メインの流れ以外のトークが使われなくなり、自己流のオペレーションになりがちです。この後は、コミュニケーターが実際に声を出す練習に入ります。
この練習では、途中で私語を挟まないことをルールとして徹底することが必要です。これは、コール時と同じ状況を作るためで、コミュニケーターは原則的にツールに沿ったトーク以外話してはいけないことを伝えます。どうしても必要な場合は、「タイム」と発言して一旦練習をストップします。
4)コミュニケーター全員による「声出し」研修
コミュニケーター全員で声を出して練習します。メインの流れ以外のトークもすべて声に出して読み上げます。これにより、トークを「口に合わせる」(=自然に話せるようにする)ことができ、また、より深く理解する効果も期待できます。
5)基本パターンでのロールプレイング研修
次に、講師が顧客役となり、最も基本的な流れを数パターン実施します。。コミュニケーターはツールに沿って、全員で声を出して練習します。
6)グループ別のロールプレイング研修
次に、2人1組になり、顧客役・コミュニケーター役を分担してロールプレイング研修を行います。ポイントは、それぞれの役になりきることと、顧客役の人間が「顧客視点」でオペレーションの修正点を指摘することです。
指摘は、良い点1つに対して修正すべき点3つを目安に挙げてもらうといいでしょう。顧客役のコミュニケーターに一定のチェック項目(通常はモニタリングチェックシートから重要項目をピックアップ)を提供することも有効です。これにより、オペレーションのチェックに不慣れなエージェントが比較的適切に評価することが可能になります。
また、顧客役のシチュエーション(プロフィール、ニーズ、コールへの反応、最終的な結果など)は講師が設定してコミュニケーターに指示します。役割を入れ替えて繰り返し練習させた後、組み合わせを変えてさらに練習を繰り返します。後半は、シチュエーション想定をコミュニケーターに任せ、より実際のコールに近い状況を作りましょう。