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スクリプト読本

6. スクリプトのベースとなる「コール基本設計書」

コールをデザインしていますか?
スクリプトを書く前に、会話の設計をしておくことが重要です。ここでは、「コール基本設計書」について考えます。

(1)コール基本設計の概要

ここからは、マーケティングプランに沿ったスクリプトを作成するための事前作業、コールの目的・目標を整理する「オペレーション設計書」の作成について解説します。「オペレーション設計書」とは、「どんなコールであるか」を表すものであり、具体的には、以下の項目から成り立ちます。

コール基本設計の概要

(1)コール種別

アウトバウンド/インバウンド

(2)コールの目的

「○○の申し込み獲得」「来店誘致アポイント獲得」「○○の解約抑止」など

(3)コール対象者(データの抽出条件 )

プロフィール(性別、年齢、居住地域、職業など基本属性)。取引履歴がある場合、取引に関する属性(購入商品、購入時期など)も必要

(4)ターゲット像(ペルソナ等)

ターゲットの属性から始まり、マインドや嗜好、商品に対する意識など、なるべく細かくお客さま像をイメージする

(5)ターゲット視点からの商品分析、訴求ポイント

企業からアピールしたいポイントではなく、あくまでターゲットの視点から商品を見ることが重要

(6)スクリプト概要

オープニング→商品説明→お勧め→ヒアリング→お勧め→購入手続き→エンディング、など大まかな流れ。各項目の概要も記述する。訴求ポイントが複数考えられる場合は、スクリプトテストをすることが有効

(7)切り返しトーク(セールスの場合)

考えられる断りの理由や阻害要因(想定される顧客の断る理由や背景)を全て挙げておく。

(8)目標値

コンタクト率/資料送付率/申し込み獲得率等

(9)検証事項

オペレーションの中で検証すべきこと。コールの時間帯や各種のテスト項目(いくつかのセールストークを試す場合)など。あらかじめ目標値を設定して検証する

(2)各項目の詳細

オペレーション設計書は、コールの骨組みを明らかにするためのものであり、詳細に作りこむ必要はありません。項目はベーシックなものであり、簡潔にまとめ、詳細な検討は不要です。ここまで挙げた、オペレーション設計書の8項目についてさらに詳しく説明しましょう。

(1)から(4)は、コールを定義する基本項目です。(5)から(7)はスクリプトのベースとなる項目です。これは、コールの流れの検討や具体的なトークへのブレイクダウンなどスクリプト作成に活かします。スクリプト作成については後項で詳述します。

(5)にある「ターゲット視点からの商品分析、訴求ポイント」はとても重要です。既に述べたように、獲得型コールでは、企業としてアピールしたいことばかりを羅列するのではうまくいきません。大切なのは、顧客のニーズを会話のメインにすることです。

スクリプトのなかでも、その商品が「どんなもの」で、「どんな魅力」があるかといった説明は、会話のキーとなります。短時間で明確に説明しなければ、顧客は理解できず電話を切ることもあります。企業がどうアピールしたいかではなく、顧客にとって何が魅力的かを考えることが大切です。

例えば、「当社で一番新しい○○という技術を使った商品です」と言っても顧客は魅力を感じません。実際に商品を利用する顧客の立場に立てば、「操作が一段と簡単になった商品です」という説明の方が興味を引くのではないでしょうか。このとき、(3)や(4)の項目で整理した対象者のプロフィールやマインドを参照すれば、最も有効なアピールポイントも検討しやすくなります。

最後に(8)を設定することで、コールをより発展させることができます。例えば目標値は、「コンタクト率(ターゲット本人と通話できた割合)」「成約率(目標とした顧客行動を達成できた割合)」などで、目標とする顧客行動とは、商品購入、割引サービス加入、店舗への来店、来店予約などです。電話だけでクロージングが出来ず、次の行程で最終結果が決定する場合やデータベース上の結果データで検証が必要な場合などもオペレーション設計書に記載をしておきます。

出来上がったオペレーション設計書は、関連する部門と連携し、双方で認識にずれがないか確認をします。また、オペレーションがスタートしてからは、コール基本設計書をもとに情報共有をする場も設けておくとよいでしょう。

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