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モニタリング読本(基礎編)

4. モニタリングに第三者のチカラを借りる

モニタリング業務は大きな負担ではないですか?
モニタリングは多くの稼働を要し、またノウハウも必要です。自社でまかないきれない場合は、「第三者のチカラ」を借りることも有効です。

 

(1) 「第三者」のチカラを借りる

コールセンターは”井の中の蛙”と例えられることがしばしばあります。多くの企業がコールセンターを持ち、同様の業務をしているにも関わらず、他社がどのようにセンターを運営しているのかを知る機会が少なく、従前のやり方に疑問を感じながらもそのまま運営しているケースが実に多いものです。

そうなると、なかなか自分たちだけでの改善は難しいものです。なにから着手すべきなのか、どういったところが課題なのかすら的確に捉えることができないこともあるでしょう。そのようなときは、「第三者(アウトソーサー)」の力を借りることも有効です。

「第三者モニタリングによる品質の評価」はヒアリング/ミーティングを重ね企業の目標やセンターのあり方などのビジョンを明確にし、モニタリングチェックシートをカスタマイズした上での分析が可能となります。

実際に、コールセンターのコンサルティング業務をしていると、「応対品質の課題」はあらゆる局面で議論の中心となりますが、それに対してモニタリング業務のアウトソースをご提案すると、「品質面にコストはあまりかけられない」、「これまで、モニタリングの効果が実感できていない」という反応があります。そのため、そういった難題の解決に向けて、モニタリング業務のアウトソーシングについて具体的なフローやポイントについて解説したいと思います。

(2)定期的な実施を前提にした基本に忠実でシンプルな設計

モニタリングは、何よりもまず「定期的な実施」を念頭になるべくシンプルに設計する必要があります。理想を言えば、毎月1回、少なくとも四半期には1回の頻度で全コミュニケーターのチェックを行う。また、問い合わせ内容の難易度や顧客の状態などが結果に影響するため、一人の担当者の評価に対し、2~3コールほどのサンプルを用意したいものです。

モニタリング業務を第三者に任せきりにして実態が把握できなくなるということはありません。センター運営に携わる担当者による応対品質の把握が、センターの運営には必須です。そのため、全モニタリングのうち100%を外部にアウトソーシングするのではなく、10~20%程度はセンター内でのモニタリングチェックの実施も考慮しています。

第三者モニタリングのその流れは、①課題の整理、②評価基準や実施計画の策定、③定期的なモニタリングチェックの実施、④モニタリング結果のフィードバック ⑤モニタリング結果の活用、という4つの手順を踏んだシンプルな設計ですが、具体的にどう進めるかが大きなポイントです。

それらの詳細は以下のとおりです。

【手順① 】課題の整理

センター長、SVなど担当者のヒアリングから、企業におけるセンターの位置づけや期待されていること、運営面の課題、応対品質の現状、などを確認します。同時に競合他社のコールセンターとの比較を行い、他社に負けないレベルを客観的に判断しますい。軽視されがちなステップですが、これがモニタリングのベースとなります。

【手順② 】評価基準や実施計画の策定

期待されているコールセンター化にむけて、モニタリングの評価基準を策定します。その際は、【手順① 】の結果や担当者との議論を重ね、最終的にはモニタリングチェックシートを作成します。また、評価をする担当者間による結果のバラツキを防ぐため、カリブレーション(評価方法のすりあわせ)を行います。さらに、モニタリングの実施計画を策定し、対象、頻度、結果の活用方法を検討します。

【手順③ 】定期的なモニタリングチェックの実施

応対品質の維持、向上にむけて定期的にモニタリングを実施します。その際は、モニタリングをする音声の抽出業務から始まります。問い合わせ内容の難しいものやお客さまのコンディションが不安定といった特殊な応対を避け、よくありそうな会話の中から、モニタリングに適した数話時間のコールを抽出します。その後、細かいモニタリングの評価をします。

【手順④ 】モニタリング結果のフィードバック

モニタリングの採点が終わったら、必ず担当したコミュニケーターにフィードバックをします。人を育てなければ品質が向上することはないため、この業務は必須です。コミュニケーターとお客さまの通話に品質があるように、フィードバックにも質があります。コミュニケーターに単に結果を伝えるのではなく、意義のある上質なコミュニケーションにより、コミュニケーターの成長に導きます。

【手順⑤ 】モニタリング結果の活用

モニタリングの結果が出揃ったら、それを集計分析します。あらゆる角度から結果を読み解くと、そのばらつきや強み・弱み、拠点やチームごとの傾向などが見え、その後の品質向上へのヒントとなります。

それらの結果を定期レポートとしてセンター内で共有し、また、必要に応じて研修の見直し、スクリプトの改善やスーパーバイザー育成を展開します。

『応対品質の向上』の詳細はこちら

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