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モニタリング読本(基礎編)

8. VOC(顧客の声)は「宝の山」

モニタリングをVOC(顧客の声)としてマーケティング戦略に活かしていますか?
コールセンターは「お客さまの声を聴く」ことで、真のニーズを探ることできます。顧客の声は宝の山なのです。

(1)モニタリング結果を「マーケティング戦略」に活かす

モニタリング結果をマーケティング戦略にどのように活用するのか。この点について解説します。コールセンターは単純な問い合わせ窓口としての機能だけでなく、企業全体におけるセールスプロセスの一翼を担う事も多くあります。

顧客化のプロセスでは、「潜在客の認知獲得」→「理解促進」→「見込み客化」→「購入による顧客化」→「再購入によるリピート獲得」といった流れがあります。この中で、コールセンターは顧客の個人情報の獲得以降、さまざまな役割を持ちます。このプロセスにおいて、「いつ」「誰に、そのような人に」「どんなメッセージ」を届けるのかを整理し、アプローチをすることが大切です。

それが適切ないとお客さまは、「××のサービスに問い合わせたのに、なぜ別の商品を勧められるの?」とか、「なぜ突然電話してきたの?この前、○○のサンプルが欲しかっただけなのに…」といった反応を見せるでしょう。こうした声を無視すると、お客さまは違和感を覚えたり、また時にはお怒りをつのらせてクレームに発展したり、最悪の場合は顧客を失ったりすることもあります。

そのようなことが起こらないためは、モニタリングによる顧客の声や反応をつぶさにチェックし、課題や気づきがあれば、それをセールスプロセスに反映させることで、より効率的なマーケティング戦略を打ち出すことにつながります。

これは、モニタリングがコミュニケーターの声だけでなく顧客の声も合わせて聞いている点に負うところが大きいのです。ひところ「お客さまの声を聴く」ということは、マーケティングにおいて大きなテーマでした。今まさに”声を聴く”モニタリングの結果があって、やっと営業戦略などに反映できるのです。

(2) モニタリング結果を「VOC(顧客の声)」として活かす

もう一つのモニタリング結果の活用の仕方として、VOC(顧客の声)があります。顧客はコミュニケーターとのコミュニケーションで、商品やサービスに関する要望・不満をぶつけることが多いのです。それは、企業と直接話ができるチャネルは限られているためです。顧客がどんなものを求めているか、またはどんな不安を持っているかを適切にすくい上げることは大きなビジネスチャンスにつながります。

一例として、あるコールセンターの事例を紹介しましょう。そのセンターでは一般のお客さまからの問い合わせ窓口として機能をしていました。お客さまからのお電話は、商品が使いづらい、使い方がわかりづらい、といったマイナスなものが多く、なかにはご指摘(クレーム)に発展するケースも多々ありました。コミュニケーターはお客さまからの厳しいお話を聞く機会が多く、謝るシーンばかりを経験するため、モチベーションも保ちづらい状態でした。

また、現場でフォローするスーパーバイザーはそんなコミュニケーターたちを守るためにも、やや言い訳めいたスクリプトに工夫を凝らす、叱られた際の謝辞の教育ばかりに注力していました。

そこで、センター責任者は、モニタリングによって多く寄せられている問い合わせ内容を分析し、商品の改善に反映させることを会社に提案しました。そうしたところ、その提案は採用され、商品開発の見直しに繋がり、結果として今度は顧客満足度の高い商品が生まれたのです。もちろん、その商品については、マイナス面を含む問い合わせやクレームの電話がほとんどなくなるという効果を得ました。

このように、モニタリング結果は、しかるべき立場の人間が適切に評価することで、商品開発などに活かすことも可能になるため、その結果をセンター内だけに留めていてはもったいないのです。

上記の例では、センター責任者が事業統括も兼ねており、幅広い視点と権限を持っていたため、良い結果につなげることができました。モニタリングは適切なタイミングで、社内のさまざまな部署への情報共有を行うことが望ましく、結果報告を「誰と」「どのタイミングで」共有するのかを計画することが重要です。

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