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モニタリング読本(基礎編)

2. 顧客視点・企業視点のバランスとは?

「効率」と「品質」のバランスに迷うことはありませんか?
昨今、応対品質のトレンドは大きく変化をしています。効率を追求しつつ、高品質な応対の実現を目指すセンターも多くなっています。では、どのように効率と品質のバランスを取るのがよいのでしょうか。

(1) 応対品質のトレンド変化

応対品質に機能するモニタリングとはどういったものでしょうか。少し詳しく述べましょう。モニタリングの重要性は、統一的な評価の基準を設けて実施することにあります。さらに、この評価基準の策定を間違えるとモニタリングの効果は得られません。モニタリング自体は決して新しい概念ではなく、従前から必要性は認識されてきましたが、これまでのモニタリングはマナー面を重視する傾向が強かったように思います。

マナー面に偏った評価とは、「敬語は正しいか」「話し癖はないか」「クッションフレーズは使えているか」などが評価項目の代表例です。しかし、正しくきれいに話す対応だけが本当に顧客ニーズでしょうか。

電話応対のトレンドは日々変化するものですが、特にここ5~10年の変化には目を見張るものがあります。コールセンター業界では、ここ数年はお客さまの満足にこだわった応対へと移行しています。過去の様式にとらわれることなく、顧客の属性、考え方や好みなどを考慮したコミュニケーションが求められています。

(2) 本質的な応対品質を追求する

最近では、モニタリングと合わせて、インターネットによる顧客満足度調査が多く実施をされています。その結果は興味深いものがあります。これまでコールセンター業界で重視してきたマナー面に優れている応対がお客さまから高い評価を受けているかというと決して比例していないこともあります。お客さまが求めているのは、担当者の姿勢や寄り添い、気遣い等なのです。

このように、顧客側・企業側相互のコールセンターに求めるニーズは多様化しており、今後のモニタリングは、顧客視点・企業視点の両方をバランス良く取り入れなくてはなりません。

一方、ロイヤルカスタマー向けのサポートを担当するセンターでは、顧客は自分が特別な存在だと自覚しており、企業から手厚くケアされることを期待しているため、感じのよい対応は依然として至上命題です。

(3)顧客視点と企業視点とのバランス

企業は、基本的に収益やビジネスに貢献するセンターを求めています。それは、1件でも多い新規顧客の獲得、または1件でも多いリピートの獲得および離反を防止することであり、さらに運営コストの効率化も含んでいます。

このように、顧客視点と企業視点は、相互共に多様化の一途をたどっていますが、時に対立する場合も少なくありません。過剰な顧客視点重視は運営コスト増加を避けられず、過剰な企業視点重視は顧客の満足度を損ないます。両者の要望を満たす「落としどころ」を決めることが最も大切なことです。

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