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モニタリング読本(実践編)

5. 基準はわかりやすく、ブレにくいものを

いまのモニタリング基準はブレにくいですか?わかりやすいですか?
ここでは、具体的なモニタリング基準と採点基準書について考えていきましょう。

(1)モニタリング基準はわかりやすく、ブレにくいものを

コールセンター全体で課題を抱えている場合は、時には具体的な解決策を盛り込むことも有効です。例えば説明スキルが不足している場合は、「○○(商品)の魅力が十分に伝わるように話しているか」、資料請求の獲得ができず、売り上げがあがらない場合は、「積極的に資料送付をお勧めしているか」などの項目を設定することもあります。

ただし、モニタリング項目を設定する際には、分かり易さ、適切な項目数、評価のつけやすさなどいくつかポイントがあります。評価項目は、管理者全員が内容を理解できるよう、可能な限りわかりやすく具体的に記述します。

モニタリング評価項目は関係者間で共有しなければ意味がありません。次に、項目数は適切な範囲に押さえた方が良いでしょう。項目が多すぎると採点に時間がかかり、担当者の負担が増大し、将来的に定期的なモニタリング実施を阻害する一因となることもあります。一般的には、15-23項目程度が適切です。

また、信頼性保持の観点から、モニタリング結果は、評価者や評価タイミングに左右されることなく採点できることも重要です。つまり、「誰が」「いつ」「どのコール」を採点してもある程度同じ結果を得られることが大切です。

モニタリングシートの他に、補助ツールとして、採点基準を細かく規定するドキュメント(採点基準書)も必要です。例えば、◎○□△✕などの5段階評価の場合、採点基準書上でどんな場合を○(できている)とし、どんな場合を△(ややできていない)と評価するかを詳細に記述します。

その他、オープニングやクロージングの具体的な名乗り方のルールやコール中に使用すべきでない言葉の例など、モニタリングシート上での記述に適さない細かい内容も採点基準書に盛り込むと良いでしょう。

(2)モニタリングは事前のテスト評価が不可欠

評価基準書ができたら、コールセンター全体へ導入する前に、項目の最終チェックと担当者間のカリブレーション(耳あわせ)のため、実際のコールサンプルを使ってテスト評価を行います。テストモニタリングの実施手順は次のとおりです。

 【テスト評価の手順】
1.サンプルの抽出(5~10コール程度。クレームなど特殊な内容は避ける)
2.担当者全員によるモニタリング(全員で同一のコールをモニタリングする)
3.モニタリング結果の確認とすり合わせ
4.モニタリング評価基準のブラッシュアップ

最も大切なのは、3つめの「モニタリング結果の確認とすり合わせ」です。担当者は全員でモニタリング評価結果を照らし合わせ、評価が大きくブレる、担当者が評価しにくいと感じた項目については評価視点や表現を再検討し、必要に応じて修正を施します。

また、複数のコールでモニタリングしたにもかかわらず、あまり使われない項目があった場合などは、評価項目の削除・追加も含めた抜本的な修正を検討すると良いでしょう。

担当者によって評価結果が大きく割れる場合は、評価基準に曖昧さがあるということを意味します。そのため、全員が自身の評価理由を発表し合ってディスカッションし、評価基準を明確化した上で更にすり合わせることが不可欠です(カリブレーション)。

評価基準を明確化すると、情報が詳細になりますが、モニタリングシートがわかりづらくならないよう評価基準書に細かく記述します。修正したモニタリングシートは、現場へ投入する前に再度同じ担当者によるカリブレーションを経て、項目や評価基準を最終確認するとよいでしょう。

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