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モニタリング読本(実践編)

1.「目指すべき姿」は明確ですか?

応対の「目指すべき姿」は明確になっていますか?
モニタリングは単に言葉遣いなどのマナーをチェックするものでなく、その企業が考える応対の「目指すべき姿」の土台となります。ここでは、モニタリングの位置づけについて考えていきましょう。

(1)顧客との会話はコールセンターが生み出す“商品”そのもの

コールセンターのモニタリングは、応対品質の評価手法として定着しつつあります。インバウンド・アウトバウンドに関わらず、今や多くのセンターで導入されている品質管理の方法ですが、企業の経営方針やセンターの運営戦略に照らし合わせて、結果を幅広く活用しているケースはまだ少ないと言えるのではないでしょうか。

また、モニタリングは、簡単に言えば実際の通話の内容を聞くという非常に原始的な管理方法です。しかし、顧客との会話はコールセンターが生み出す“商品”そのものであり、モニタリングによる会話の“品質管理”には欠かせないプロセスです。モニタリングの実施により、個々のコミュニケーターのスキルレベルはもちろん、全体的なコールの実態からセンター全体の問題点まであらゆる課題が明らかになります。

(2)数字をアップさせるプロセスとは

当社boosterでは、コールの品質管理としてのモニタリングから一歩踏み込み、モニタリングを「目指す理想のコールを実現するためのプロセス」と位置づけています。なぜなら、モニタリングは、本来、コミュニケーターがそのコールにおいてクリアすべき内容を網羅するものであり、理想のコール実現のために必要なスキルファクターの集合体に他ならないからです。

マネジメントサイドにおいては数字をアップさせる応対をモニタリングシートに反映させ、コミュニケーターはそれに沿ってスキル習得に努めることで、両者が一丸となって理想のコール実現を目指すのがあるべき姿です。目標をクリアしたら、モニタリングシート自体をレベルアップすることで、より質の高いコールを目指すことも当然可能です。

(3)評価基準はミッションとのリンクが重要

モニタリングの評価基準を設定する際に一番意識したいのが、その応対が達成すべき目標に近づくための評価軸になっていることです。敬語や話し方のマナーに偏った評価基準や、ルールなどの実行の有無を確認するといった機能ではありません。特に、応対の目的がより明確に設定されているアウトバウンドにおいては、モニタリングを正しく実施した場合の効果はとりわけ高く、最終的な成績(受注・契約やアポイントなどの獲得率)を妥当な数値に近づけるしくみと言っても過言ではありません。

正しい評価基準の設定方法としては、まず大前提としてモニタリング評価基準をコールセンターのミッション(コールセンターが果たすべき使命・役割)に沿ったものにすることです。コールセンターによってはミッションが策定されていない場合も少なくありませんが、これはセンター全体の方向性を決める拠り所として必須内容です。スタッフのモチベーションにも多大な影響を与えることから、長期的な視点に基づいて設定し、コールセンター内の全員で共有することが望ましいのです。

評価基準の策定に際し、当社は通常、「スキル」、「トーク」、「マインド」、「知識」の4軸で検討します。「スキル」とは、基本的な電話応対に必要な声の出し方やスピード、オープニング・クロージングといった電話応対特有の技術を指し、会話を維持するために必要なものです。「トーク」とは、会話の内容で、会話全体の流れや具体的な説明の部分の質をみます。また、「マインド」とは、業務に臨む心構えのことで、「知識」とは商品自体や関連する分野についての知識を指します。この4軸に基づき、コール目的に沿って、必要なスキル要素を反映して作成します。

例えば、インバウンドであれば顧客のコール目的の把握が重要であるため、「適切な質問ができたか」「顧客のニーズを把握しているか」などヒアリング能力も重視します。
また、アウトバウンドでは、目的達成への積極的な姿勢や顧客ニーズの掘り起こしなどにフォーカスします。また、「マインド」の分野も、「お客さまの役に立とうという積極的な姿勢が見られるか」「1件でも多く成約を獲得しようという気持ちがあるか」などコール目的により内容が異なります。

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