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モニタリング読本(実践編)

7. 品質管理者の育成は不可欠

品質管理者やスーパーバイザーをしっかりと育成していますか?
何も教えないまま業務に携わらせていませんか?
ここでは、管理者層の育成について考えていきましょう。

モニタリングが定着しない理由の一つには、品質担当者やスーパーバイザーの教育不足も考えられます。モニタリングの意識や重要性を理解せず、評価やフィードバックの手法に自信がない管理者が、単なる業務としてモニタリングを実施しているケースです。

また、コミュニケーターへのフィードバックは難しいコミュニケーションですが、これには自信が持てず、人材育成の場というよりは、結果共有をする時間となっている場合も多々あります。ここでは、モニタリングのフィードバックスキルの育成方法について具体的に解説します。

(1)継続的なモニタリングが難しい背景

大規模コールセンターでは品質管理のために専門の担当者を置くケースが標準になりつつあります。品質管理担当者は、センター全体の品質を常に客観的な視点でウォッチし、マネジメントやスーパーバイザーと連携して必要に応じて教育などの施策を講じたり、コミュニケーターを評価するという重要な業務となっています。

しかし、現実には、品質管理担当者はおろか、現場のキーパーソンであるスーパーバイザーも慢性的に不足しているのが実態です。そのため、スーパーバイザーがコミュニケーターの指導に始まり、エスカレーションへの対応からシフトの管理、ツールの開発、教育計画の企画など数多くの業務をこなしている場合もあり、品質管理もまたスーパーバイザーに頼っているセンターが多いのも実情です。

このような状況下においては、スーパーバイザーの作業負荷の大きさとともに、管理者として必要なスキルを学習する機会の不足が大きな問題となります。コミュニケーターとして採用した際は当たり前のように研修が実施されますが、スーパーバイザーという新たな職種につく際、それが行われていないケースは実に多いのではないでしょうか。もし、実施されていたとしても、スーパーバイザー向けの教育は質・量ともにまだまだ十分とは言えず、必要なスキルを身につけるには不足していて、それがセンター内での有効的なモニタリング活用に至っていない理由の一つと言えます。

また、小規模なコールセンターでは、コミュニケーターの抵抗感とモチベーションへの影響を懸念してモニタリングに消極的な企業も多いようです。その背景としては、モニタリングが依然として「チェックされる行為」と受け取られていることが挙げられます。

こうした誤解が横行している場合は、モニタリングが本来の効力を発揮できないばかりか、逆に作用してしまう恐れもあります。したがって、前項でも述べたとおり、モニタリングを単なる評価や管理ではなく、品質向上や自身のスキルアップのステップとして位置づけていることを、コミュニケーターに理解させることが重要となります。

中には、センターマネジメント側や品質管理と、現場のスーパーバイザー間で品質向上への認識が合っていないこともあり、その場合は、スーパーバイザーの考えは現場に伝わりやすく、コミュニケーターの反発をも招きかねません。そのため、まずは管理者層すべてがモニタリングの目的や意義を正しく理解することが大切です。

また、センターの管理者側ではモニタリングが適切に位置づけられていても、現場のコミュニケーターとのコミュニケーション不足から、会社側がコールに求める内容がコミュニケーターに伝わっていない(=なぜマネジメント側が提示した評価基準でモニタリングされるかがわからない)場合も少なくありません。

こうしたケースでは、現場からの抵抗感が強いために評価基準が浸透しにくく、スキルアップにつながりづらいことがあります。

したがって、適切なモニタリングを継続的に実施するには、モニタリングおよびフィードバックのスキルを持ち合わせた管理者を育成する、センター内でモニタリングの位置づけや効果に対して正しく認識するということが必要となります。

『モニタリング・フィードバック研修』の詳細はこちら

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