モニタリング指標の一部見直しで、お客さま満足度の早期改善を実現。
コールセンター運営代行会社 A社さま
- 業界
- 通信・IT
- センター概要
- ITや通信関連の専門性の高いサポート業務を得意とし、企業のコールセンター運営代行を行っている。
- 実施サービス
背景・課題
有償サポートセンターにふさわしい応対品質の実現を。
本事例でご紹介するコールセンター運営代行会社さまでは、企業からの依頼に応じて、多数のテクニカルサポートセンターを運営しています。パソコンメーカーや通信会社などの企業ではお客さまのニーズに応じて複数のサポート窓口を設け、なかには有償サービスを提供しているケースもあります。有償サポートの窓口は受付時間が長いこと、回数や期間の制限がないこと、知識や経験豊富なスタッフが対応することなどを特徴に掲げています。
そのようななか、ある有償サポート窓口でお客さま満足度に課題があり、弊社に早期改善にむけてのご相談をいただきました。早速、品質向上策を検討するにあたり、応対の傾向を確認したところ、以下のような課題が浮き彫りになりました。
・全体として応対品質レベルが低く、お客さまが不満足な様子を示しているものが多い
・解決への迅速性を優先するあまり、お客さまへの配慮が不足している
・コミュニケーターは応対品質をあまり意識しているように感じられない
・電話応対の基礎的な教育を受けたことがないと感じさせる担当者も多い
・コミュニケーターごとの個性が強く、応対に一貫性がない
・コミュニケーターの仕事へのモチベーションがあまり高そうではない
現場に寄り添った品質向上の実施プラン。
弊社からの改善策として、まず電話応対研修の実施をご提案をしましたが、研修のために一度に数名のコミュニケーターを現場から抜くことが難しく、個別指導をしてほしいとのご要望でした。それらを踏まえて、取り組みとしては以下を行うことになりました。
・モニタリング指標の一部見直し
・モニタリング評価
・モニタリング結果の分析
・個々のコミュニケーターへのフィードバック
取り組み
コミュニケーター指導用のモニタリング指標の設定。
モニタリング指標については、依頼主である企業との間ですでに決定したKPIの対象であるため、基準そのものを変更することはできませんでした。そのため、コミュニケーターの指導用として、既存の基準では足りていない要素について、新たな項目をいくつか追加しました。
主には、品質改善に必要な要素である、柔らかな口調で話す/傾聴や共感/気遣いなどをわかりやすい言葉で盛り込み、文書としてまとめました。
フィードバックできめ細かい指導を。
モニタリング評価では、個々のコミュニケーターの応対時の特徴を捉えた上で、「どこを改善するとお客さま満足度があがるのか。逆に、何がお客さまの不満足につながっているのか」をじっくりと確認し、指導ポイントとして整理をしました。
フィードバックは一人あたり約30~40分ほどかけて、コールセンターの品質管理者のオブザーブのもと、面談形式で行いました。私たちの考えるフィードバックは、モニタリング結果を共有する場ではなく、品質向上への気づきを促し、また実践指導を通じて、具体的な変化に導くための時間です。
そのため、多くの場合、その場でロールプレイングし、それを録音して共に聞き、そこから得た気づきをもとにまたロールプレイングを繰り返します。そうすることで、頭で理解するだけでなく、どのように話したらよいのかを感覚的に捉えるのです。このときも、初回のフィードバックでロールプレイングをしようと声をかけると、「えっ、今ここで?」と戸惑っていましたが、回を重ねると徐々に慣れてきて、しっかりと対応してくれるようになりました。

成果
目標値以上の品質向上を実現。
フィードバックで個別指導を重ねるごとに、コミュニケーターの意識が前向きになり、応対そのものにも変化が現れてきました。モニタリング結果としての変化は初期こそ鈍いものでしたが、その後は継続的な品質向上が確認され、最終的には改善目標としていた数値を上回ることができました。
その要因として、弊社の指導にくわえて、スーパーバイザーの品質への感度が少しずつ高まり、現場での目配りや声かけが充実したことが功を奏したと考えられます。
ご担当者さまの声
石橋さんとは前職のコールセンターでご縁がありました。このときは、当社に転職してきたばかりでしたが、最初の仕事が今回の施策だったこともあり、品質面に強みがあると考えてご相談をさせていただきました。
業務をご一緒しているうちに、まるで同じ会社で苦楽をともにしているような感覚になるまで真剣に向き合ってもらい、最終的には期待している以上の結果を残すことができました。今後は教えていただいたことを念頭に、自社内で品質が維持、向上できるよう頑張っていきたいと思います。