「モニタリング・フィードバック研修」で、担当者間の共通認識を図る。
背景・課題
「モニタリング・フィードバック」の精度をあげたい。
不動産管理会社では、オーナーに代わって賃貸物件の管理・メンテナンスを行なうと同時に、コールセンターを設けて、オーナーや入居者からの問い合わせ・相談対応などを行なっています。
今回のご相談事項は、「モニタリング・フィードバック研修」で、状況をお伺いすると、以下のような課題をお抱えでした。
・定期実施のモニタリング・フィードバックは、時間と労力を要する割には効果があまり見られない
・現在のモニタリング指標が最適でないと感じているが、自社ではうまく策定できない
・日々のフィードバックはマンネリ化し、コミュニケーターにとって気づきや学びの場となっていない
「本来はコンサルティングなどを受けるのが望ましいが、ひとまずは終日研修で概要を学びたい」とのことでした。
取り組み
クライアントさまからの相談内容を受けて、研修は二部構成で設計しました。第一部は品質管理(QA)部門を統括する数名のメンバーを対象にした、「モニタリング指標の見直し」研修。第二部は日頃コミュニケーターにフィードバックをしている品質担当者にむけた、「フィードバックの仕方」研修としました。
第一部 研修では、現在の「モニタリング指標」の見直し方をテーマに。
研修内容を企画するにあたり、既存のモニタリング指標を拝見したところ、問題点が散見されました。そもそも、指標そのものがセンターミッションをブレークダウンしたものではない上に、ポイントがズレた項目が多く見られました。
研修では概念理解などの座学を軽めに済ませ、具体的な見直しのプロセスにフォーカスして議論をスタートさせました。指標策定にあたっては、まずセンターミッションをよく理解したうえで、必要な要素の棚卸し → 項目ごとに分解 → 誤解のない言葉への置き換え → 項目ごとのウエイトづけ → 採点基準書の策定 というプロセスごとに重視する点や注意ポイントを漏れなくお伝えし、今後も継続してスムーズな検討が進められるよう助言をさせていただきました。
第二部 研修では、成果が上がる「フィードバック」の進め方をテーマに。
「フィードバック」はモニタリング結果を単にコミュニケーターと共有するための場ではなく、品質向上にむけ、コミュニケーターごとの特徴や個性を踏まえた指導で着実な成長を促す場であるべきです。
今回の研修では、「改善テーマの絞り込み」に重点を置きました。
「どこを改善するとお客さま満足度があがるのか。逆に、何がお客さまの不満足につながっているのか。」を念頭に指導ポイントを2項目程度に絞り込むことで、コミュニケーターも明快に改善すべき点を把握することが可能になります。
また、コミュニケーターの特性に対応することも重要で、人によってはどれだけ指導を重ねても改善が見込みづらい「抑揚」などの項目は深追いせず、「同調や共感」、「気遣いや配慮」など他の項目で補うような指導方法をお伝えしました。
フィードバック担当者は事前に改善テーマを検討しておきますが、最終的にはコミュニケーターと話し合って決定するため、そのやり方についても、ロールプレイングで実践的に学習をしてもらいました。
成果
「モニタリング」と「フィードバック」のそれぞれの課題点にフォーカスした学び。
本来であれば、数ヶ月かけて実行すべき内容でしたが、6時間という限られた時間の中で、モニタリング指標のドラフト策定と、フィードバックに関してのポイント理解まで至ることができました。
研修終了後、企画担当者さまからは「明日から自信を持って改善活動が進められます」との力強いお言葉をいただくことができました。
ご担当者さまの声
以前、業界主催の研修で「モニタリング・フィードバック研修」を受講しました。その時に、その内容に感銘を受けたので、研修で学んだことを社内に持ち帰って広めようと頑張ったのですが、なかなか思うように進まず、今回、ご相談をさせていただきました。
こちらの要望が多く、研修内容をフルカスタマイズして対応いただき感謝しています。研修では、品質管理(QA)部のメンバー全員の思いを同じくすることができたので、今日を皮切りにスピード感をもって改善活動を進めていきたいと思います。