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7.使いやすさを徹底追求した視覚的スクリプトの作成と活用方法

スクリプトのスタイル

ロールプレイング・モニタリングでスクリプト検証

スクリプトやFAQなどといったオペレーションツールは、現場への落とし込み方次第で効果が大きく変わります。例えば、スクリプトのロールプレイング研修は、重要ポイントやコール目的の理解を促した上で行うと非常に効果的です。

また、オペレーションは日々変化するものであるため、モニタリングによって、会話の流れの見直しや切り返しトークの追加といったブラッシュアップ・修正を適宜行うことも必要となります。

ここでは、オペレーションツールを有効活用するためのフォローアップ作業について説明し、スクリプト改定で著しく効果を上げたクレジットカードのアップグレード獲得アウトバウンドの事例を紹介します。

前項でオペレーションに必要な各ツール―スクリプト、FAQ、コンサルティングツール(他社製品との比較一覧、ターゲット別訴求ポイントリスト、商品メリット一覧表、切り返しトーク集など)の概要、作成手順および作成のポイントについて説明しました。

これらのツールは、ただ渡されただけでは作成者の意図した使い方をコミュニケーターが理解することは難しく、効力を発揮しません。いかにすばらしいツールを作成しても、通り一遍の説明とともに渡すだけでは、現場は「使う気にならない」のです。そこで、実施の前に、ツールを現場に落とし込む作業が必要になります。

具体例としてはロールプレイングであり、これにより現場のコミュニケーターはスクリプトを始めとしたツールを自分のものとし、自然なトークができるようになります。この教育プログラムの実施には、ツール作成の中心スタッフが加わることが有効です。

「スクリプトを作成すると、コミュニケーターがスクリプトにとらわれて棒読みになってしまう」というマイナス効果は、多くの場合、ロールプレイングによる現場への落とし込みが十分に行われていないことに起因します。

仕上げはレイアウトの整理とテストコールで使いやすさを確認

最現場でコミュニケーターを使用することを前提とし、見やすいスクリプトを目指してレイアウトを調整します。作成ポイントは以下の6点です。

ポイント1
会話の流れが常に上下に流れ、左右へ振れたり下から上へ戻ったりしないように作成する。

ポイント2
分岐後のボックスはなるべく高さをそろえ、会話中、進行状況が一目でわかるように作成する。なお、ボックス内はわかりやすくまとめること。

ポイント3
物理的に使いやすい形にする。あまり大きなサイズや枚数が多いものはコミュニケーターにとって使いづらいので避ける。

ポイント4
罫線や書体などに工夫し、ポイント部分や終了部分を明確にする。

ポイント5
会話終了部分は一番下にまとめ、いくつも作らない。

ポイント6
常用漢字以外の漢字や一般的でない英語のアルファベット表記など読みにくい表現は避け、句読点などを適切に使用する。

スクリプトが完成したら、最後にテストコールを行いましょう。新しいスクリプトを使い始めるときにはなるべく実践した方が良いのです。テストの具体的な方法は、センターのコミュニケーター全員にスクリプトを配布し、一定数のリストにより限定的にコールを行うといった具合です。

テストにより、作成時の意図と顧客のリアクションのギャップなどを適切に反映することができるため、スクリプト作成者はテストコールまでを責任範囲するをべきでしょう。

通常、実際のオペレーションではスクリプトだけでなくスクリプトを補うツールが使われます。具体的には、「FAQ」や「コンサルティングツール」などです。以下では、この2つのツールについて説明します。

【FAQ】

これはお客様からの質問に答えるためのツールです。FAQをコミュニケーターに配布することで、コミュニケーターのキャリアなどによる回答レベルのバラつきがなくなり、統一的な回答が可能になります。作成にあたっては、まず頻出する質問の想定を行い、すでにオペレーションが走っている場合は、過去データから頻出する質問を抽出します。

具体的な作成手順は、Qを抽出→Qに対応するAを考案→書式を整理→加筆・修正です。FAQはスクリプトとともにコミュニケーターが現場で使用するツールであるため、見ながら話せるようトークの形にしておきましょう。

また、検索しやすいよう、質問内容をグループ化、または出現頻度の高い順に並べるなどコミュニケーターにとって最も見やすい形にすることも重要です。レイアウトも使いやすさに影響するため注意します。

対応するQとAの関係が一目でわかるようなフォーマットが良いでしょう。金融商品やネットワーク商品など、商品内容が難しい場合や関連知識が膨大な量になるオペレーションでは、想定される質問とその答えを全てFAQとしていることがありますが、これはあまり意味がなく、コミュニケーターにとって使いづらいこともあります。

実際に、FAQが使われない原因はこのあたりにあることが多いのです。当社市場通信の経験では、出現率が高いと思われる質問を集めてFAQを作っても、顧客からの質問のうち7-8割が2-3割の質問に集中するということがありました。

ただし、最近ではFAQをデータベース化して管理しているセンターも多く、コミュニケーターの使用頻度(=出現頻度)をカウントして自動的に表示順序に反映させるシステムを組むこともできます。

【コンサルティングツール】

これは聞き覚えのない人もいると思います。獲得型コール特有の付加ツールの総称です。獲得型コールの特色は、ニーズ意識の薄い顧客へ企業側からアプローチし、ニーズを引き出すことにあります。このため、各顧客の状況に細かく対応することが要求されます。ところが、スクリプトはトーク全体の流れをコントロールするものであり、一方FAQは顧客の質問に答えるためのものであるため、個別対応を補助するツールにはなりえないのです。

そこで、顧客の状態に対応して最も効果的なメリットをアピール、または最適な商品をレコメンドするコンサルティングツールの活用が必要になります。ある企業では、商品に関する資料をそのまま配付してコンサルティングツールとしていましたが、これはコミュニケーターにとっては使いづらいものでした。コンサルティングツールのうち、これまで効果が高かったのは以下のようなツールです。

1)他社製品の概要および比較一覧

自社製品の強みを整理したもの。他社製品が優れている場合はどのように話すかということも含む。単純に一覧化するのではなく、いかに自社の商品を良く「伝える」ことができるかという視点でまとめることが重要。

2)ターゲット別の訴求ポイント/レコメンド

ターゲットプロフィール別(年齢別、地域別、性別など基本情報の他、購入履歴や商品に関する知識なども検討)に、最も効果的と考えられる商品の訴求ポイントやお勧め商品をまとめたもの。

3)商品メリット一覧表

「顧客から見て」魅力的なポイントだけを集めた商品メリット集。

4)切り返しトーク集

顧客からのネガティブな反応を想定し、拒絶理由別の応酬話法をまとめたもの。

例えば「値段が高い」→「他社製品より割安」、「面倒くさい」→「この電話やインターネットで手続き可能」など。獲得系アウトバウンドの場合、ネガティブな反応が多いので、用意した方がいいケースがほとんどです。

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