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12.モニタリング・チェックシート作成法

(1)「あるべきコール」についての考えをまとめる

センター長、SV(スーパーバイザー)が、理想的なコール、目標(ゴール)、要求スキルなどを話し合い品質に対する意識を共有します。「この人のコールを標準化したい」といったように、理想とするコールのイメージが具体的であればあるほど共有は容易になります。良い例となるコールは事前に録音しておくとよいでしょう。逆に、代表的な悪いコールをあげてみるのも、センター(コール)内でどこが問題かが浮かび上がってくるため効果的です。

(2)基本的なモニタリングシートの「初期型」を作成する

モニタリングを実施したことがあればそのときのシートを、コンサルタントに作成依頼したことがあればそのシートを参考にして、初期型シートを作成するとよいでしょう。この時点のシートはあくまでも第一稿なのであまり細部にこだわりすぎず、次の3点のような基本的なポイントをカバーすることを心がけましょう。

1)マナーやトークスキル:企業からのコールとしてふさわしいマナー・話し方
2)会話をするスキル:相手(顧客)と会話のキャッチボールができるスキル
3)その他:セールススキル、コンサルティングスキルなど

(3)モニタリングを実施する

2で作成した初期型シートをもとに、ランダムにピックアップしたサンプルコールをモニタリングしてみます。サンプルには、「標準化したいコミュニケーターのコール」「よくみられるが問題のあるコール」を数本ずつ選んでおくのもよいでしょう。センターやチームの規模にもよるが、数十コールを抽出すれば傾向をある程度把握することができます。

さらに、意識して選ぶ必要はありませんが、「獲得率が高い(低い)」「業務歴が長い(短い)」「勤怠に問題がある」など、コミュニケーターの成績や業務に関わる特記事項があれば付記しておくことも重要です。ただし、評価者が先入観を抱くようであれば、評価者にはそれらの情報は伏せておく方が得策です。

(4)初期型モニタリングシートの問題点を洗い出す

「あるべきコール」を念頭において、現状の項目で検証したかった内容が評価できているかどうかを検討します。重要ポイントは以下のとおりです。

ポイント1
一般的なコールセンターの応対業務として標準以下のレベルのスキルがないかまた、それを改善 するための項目が入っているか

どのような項目であれコールセンターとしての標準を下回っている場合は、顧客にマイナスの印象を与える恐れがあります。すぐにでも改善すべき最優先事項でもあります。SVが日頃のオペレーションの中で感じている「足りないスキル」を評価項目に取り入れることが有効です。

ポイント2
今後伸ばしていきたいスキルがチェックできているか

ただし、現状のスキルが理想とするコールと比べ余りにも低い場合は、何から改善すべきか、誰を重点的に指導すべきかなどがわかりにくくなってしまうため注意が必要です。理想とするコールへの教育プランを検討し、何段階かのステップにわけて考えることも有効でしょう。

ポイント3
解決したい問題点を適切に評価できる項目があったか

例えばセールス獲得や問題解決など、そのコールの目的を達成するのに必要なスキルを推し測る項目の設定が不可欠です。

ポイント4
「標準化したいコール」や「よく見られる問題のあるコール」が、初期型のモニタリングシートでどのように評価されたか

過去に当社(市場通信)が行った例で、成約獲得率が高くSVからも評価されているコミュニケーターのコールが、非常に低い評価になったというケースがありました。

評価項目を詳細に見てみると、「声」や「話し方」などのスキルに重点が置かれ、そのコミュニケーターの長所であった「粘り強い営業姿勢」や顧客のニーズを上手に引き出す「説明スキル」を評価する項目が少なく、それらが評価しきれていないことがわかりました。真に評価すべきスキルは何か、現状の評価項目に足りないのが何か、ということを明らかにした上で項目を改善することが重要です。

ポイント5
使用しなかった(または評価しにくかった)項目はないか

ほとんどのサンプルで使用しなかった項目は、不必要である可能性が高く、評価しづらい項目は設定に問題があると認識しても良いでしょう。

ポイント6
評価者によって結果の分かれる項目はないか

項目が精密になるほど評価が分かれやすくなるため、なるべくシンプルな項目設定や誤解のない表現、詳細でわかりやすい評価基準を設ける必要があります。とくに重要なのは評価項目の"表現"です。

あるセンターでは、「声の印象は明るく」するようトレーニングしていたが、「明るすぎてビジネスとしてはふさわしくない」「顧客を軽く見ているような印象(人によってはバカにされているような印象)を受ける」などのコールが少なくありません。

「明るい」という表現だけを受け止めたコミュニケーターが、理想としたトーンをイメージしきれなかったためです。同センターでは、「声の印象は信頼感を得られるものか(声のトーンはやや低めに)」と改訂しました。

ポイント7
得点の算出方式は適切でわかりやすいか

Yes/No方式、5点(あるいは3点)満点方式など採点方法にはいろいろありますが、"採点しやすい""結果がわかりやすい"という基準をもとに検討することが大切です。また、総合得点を算出するだけで十分か、分野別の得点を算出する必要があるか、全項目が同一の配点でよいか、などを考慮するも忘れないでください。

ポイント8
使いやすいモニタリング・チェックシートか

定期的に現場のSVが使用することを想定して、使いやすいレイアウトに整えることも重要です。見やすさ、ファイリングのしやすさなどについて使用者(評価者)の意見を十分に取り入れることが有効です。

各ポイントをもとに、初期型モニタリングシートを改定します。改訂の手順は、評価項目の改訂→評価基準の策定→評価項目の順序の検討→レイアウト修正となります。
とくに評価項目の順序の検討は見落とされがちなステップですが、適切な順序で評価項目を並べることでスムーズな採点が可能になり、モニタリング業務の効率化にもつながります。この後は、2-5のプロセスを繰り返してください。

(5)モニタリングシートを改訂する

(4)で検討したポイントをもとに、初期型モニタリングシートを改定します

改訂の手順は、評価項目の改訂→評価基準の策定→評価項目の順序の検討→レイアウト修正だ。特に評価項目の順序の検討は見落とされがちなステップですが、適切な順序で評価項目を並べることでスムーズな採点が可能になり、モニタリング業務の効率化にもつながります。

この後は、(2)-(5)のプロセスをオペレーションは刻々と変化するため、それに伴いモニタリングシートも常にバージョンアップすべきです。以上のように評価項目のカスタマイズについて解説してきましたが、最も重要なのは、「あるべきコール」(理想的なコール)を明確化することです。

獲得目標や処理件数など、数値的な目標が設定されているセンターは多いですが、それらを達成するためにはどんなコールを行うべきかというイメージは意外なほど漠然としています。

まずは、コールの目的や目標をしっかりと把握した上で、具体的なイメージを固めて欲しいと思います。適切な項目による定期的なモニタリングは、一見地味で地道な作業ですが、確実に目標達成につながる手法であることは間違いありません。

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