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11.それぞれの役割と機能で異なるモニタリング効果

コールセンター内には各立場のスタッフがいて、それぞれモニタリングに対するスタンスや活用方法に違いがあります。モニタリング効果について、具体的に各ポジションへブレイクダウンさせて検証してみましょう。

(1)センター長にとってのモニタリング効用

センター長は、関係者のうち最も幅広い視野で、コミュニケーター管理からセンター運営まで結果を読みとる必要があります。

具体的には、

1)企業/サービスに対する顧客の満足レベルの把握

→顧客がその企業/サービスに対してどれだけ満足しているかどうか

2)他社との比較

→競合他社と比べ自社のサービスがどのレベルにあるかについての理解

3)センターのビジョン

→センターの目指す方向に成長できているかの評価

4)サービスフロー・オペレーションフローの適正

→コールセンターの位置づけ・役割について顧客が適正に理解しているか

他部署との連携/業務フロー/センター内でのオペレーションフローの適切さなどが、モニタリングで検討するべき点です。

センター長は、現場の最高責任者であると同時に会社のマネージャーでもあります。従って、センターが一定のオペレーションを実施できているかを管理するだけでは役割を果たせません。センター外をも視野に入れ、企業内でセンターがどのように貢献できるかを常に意識する必要があります。

その一方で、現場のトップとして現場で何が起きているかを常に把握することが大切です。後述する現場管理者のモニタリング効用でも整理しますが、現場管理者としての細かい視点で常に現状をチェックすることも欠かせません。それによって現場の信頼と尊敬を得られるはずです。

(2)品質管理者(不在の場合はSV)にとってのモニタリング効用

最近、センター長、SVに加え応対品質の管理を専任する品質管理者を置くセンターが増えています。SVよりも一歩引いた視点でコール品質を管理する立場であるため、モニタリング結果は最も参考にすべき材料となるはずです。現場をあずかるSVと協力し、センターのオペレーション品質向上を目指した品質管理プランの立案などに取り入れることが有効でしょう。

具体的には

1)研修計画/体制

→今後必要となる研修の内容や人的資源の配置の検討

2)モニタリング計画

→モニタリングに割くべき時間や人員またはモニタリングの実施時期などの検討

3)SVの適切な評価

→シフト管理などの統括業務だけでなく、コミュニケーター育成などSVに対する評価

4)採用方針の明確化

→今後必要となる人材像や採用時期の明確化

5)応対品質の把握

→センター全体としての応対品質レベルの持続的な把握

6)スタッフのモチベーション管理

以上のようにモニタリングの実施による現場の把握とそれによる現場の信頼の獲得が重要となります。

(3)SVにとってのモニタリングの効用

SVもしくは、オペレーションの現場担当者にとっては、モニタリングはなじみ深い作業です。品質管理者と共に、課題の洗い出し・評価指標の策定から始まる、適切なステップでモニタリングを進め、モニタリングを活かすことが大事です。SVがモニタリングから得られるのは以下のような事柄です。

1)コミュニケーターの管理

→個々人のコミュニケーターのパフォーマンスチェック、強み・弱み、改善点の洗い出

2)コミュニケーターとの改善意識の共有

→個々人のコミュニケーターのパフォーマンスレベルや改善点の共有

3)フィードバックの適切化

→明確な評価基準の策定による適切なフィードバックの実現

4)コミュニケーターの育成計画立案

→現在の人員内容・パフォーマンスと事前の育成計画との比較や今後の方針の検討

5)コミュニケーターのモチベーション管理

→正確なコミュニケーターの現状把握でコミュニケーターから

6)オペレーションツールの改善

→現在のオペレーションツールの問題発見とブラッシュアップ

従来、モニタリングの利用目的の最たるものは、現場でのコミュニケーター育成でした。今後は、的確な評価基準の策定やコミュニケーターの育成方針/教育計画などのフィードバックにも有効活用することを目指すべきです。現場のコミュニケーターとの問題意識の共有が進めば、信頼感が醸成され、さらなるオペレーションの改善へとつなげることが可能となります。

(4)コミュニケーターにとってのモニタリング効用

一般的に、コミュニケーターにとってのモニタリングとは、気持ちの良いものではないが、適切なモニタリングはコミュニケーターにとっても大きなメリットがあります。

例えば、

1)自らの問題点の理解

→自分の応対に関して、問題点となる部分の具体的な理解

2)「良いコール」「あるべきコール」の理解

→センター全体でのめざすべきコールの具体的な理解

3)SVへの信頼感醸成

→SVの指導に対する理解とそれにともなう信頼感の醸成

4)モニタリングの維持・向上

→自分の成長を確認しモチベーションが高まる

などが挙げられます。

コミュニケーターの中にモニタリングを受け入れにくい傾向があるのは、「アラ探しをされる」とか、「どこが悪いかわからない」「言われていることが理解・納得できない」「人によって注意することが違う」といった気持ちがあります。

こうした感情を払拭するためのキーとなるものは、「具体的な実施の手順」、「明確な評価指標の策定」、「迅速で適切なフィードバックのプロセス」を明示することが必要でしょう。時期を決め、対象者(なるべくセンター全体が望ましい)を定め、予め実施を告知して実行する場合、現場からの抵抗は少ないはずです。

明確な評価基準で早いタイミングのフィードバックができれば、コミュニケーターは、「自分のコールのどこが具体的に悪いのか」を知り、どこを目指せばよいかが理解できます。また、自分を指導するSVへ信頼を寄せることもできるでしょう。

以上のように、モニタリングはセンター内スタッフへそれぞれの形で貢献するでしょう。また、センター外での活用にもまだまだ大きな可能性を秘めています。もちろんこれは、「なんとなく」実施されてきた従来のモニタリングではなく、シンプルながら精緻化されたステップを踏むモニタリングの実践が前提条件になります。

正しいステップのモニタリング」の実施で、今後コールセンターのクオリティが上がり、企業内での価値がより増進されることを確信しています。

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