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8.モニタリングの評価基準の明確化で管理環境改善が可能

今回も事例について述べさせて頂きます。「管理環境の改善」について、モニタリングが現場だけではなく管理側にも変革を促した例を紹介しましょう。同社では、「わかっていながら実現しなかった」管理方法の改善がモニタリング結果により具体的にできるようになってきました。

結論から言うと、管理側・現場側共に納得できる評価基準の導入が、理想的な指導を促したのです。明確な基準で評価された結果は、コミュニケーターにとって理解しやすく、適切かつ公正なフィードバックを可能にしました。

実際に、「評価の根拠がはっきりすると、自分の課題が理解しやすく受け入れやすい」というコミュニケーターの声も多いのです。また、管理者にとっても、手作業で感覚的に行われていた評価の負荷が軽減されるなど、SV業務の効率化も促進されました。

また、「コミュニケーターの人事評価基準の見直し」についてですが、本事例では今後、センター長のもとで各SVにより教育プロセスの計画・実施が行われることになりました。さらに大きな変化として、営業数字などの基礎的なデータだけではなく、顧客マインドなど新たな視点を加えた「新・人事評価基準」の必要性が検討されています。実現すれば、これは全体的なCS活動にも影響することになります。

べテランコミュニケーターも刺激受けセンター全体の相互チェックも

一般的に、モニタリングに対して被験者は抵抗を感じることが多いと言えます。しかし、本事例では、モニタリングに対する現場からの抵抗は少なく前向きな対応が見られました。この理由として、実施前にコミュニケーターに対する品質改善の必要性を十分説明したことと、評価基準を明確化したことが重大だったと考えられます。現在の評価項目がある程度クリアされたら、新たな評価基準を設定し、より高いレベルを目指すことを念頭においているということです。

また、一般的にモニタリングは、コミュニケーターのデビュー直後やキャリアの浅いコミュニケーターの育成に利用するものだと捉えられがちですが、事例のモニタリングの結果を見ると、ベテランコミュニケーターにとって自らのコールを問い直す機会となるなど、実に良い刺激になりました。実は、モニタリングの効果はスキルの底上げというより、ベテランコミュニケーターへの影響こそ重視すべきなのです。

こうした現場への影響力が強いコミュニケーターのチェックこそ、コールセンター全体のクオリティ向上につながります。かつ今後同社では、もっときめの細かいモニタリングを目指すことになり、具体的には、モニタリングを管理者側だけでなく、その下のリーダークラスまで広げ、日常的なチェックを実現しています。

センター全体で理想的なコールを共有し、お互いに常に品質を高めあうことが目的であり、センター長が指揮するこの「センター全体によるモニタリング構想」は、一部のコミュニケーターによるセルフチェックを実施したことから発展しています。自分自身のコールを聞くことにより、コミュニケーターが自らの課題を発見することも重要です。このセンターのビジョンは、モニタリングを活かした教育環境の整備まで広がっています。

今後は、他業界や他センターなどとの比較により自センターの客観的評価を重視し、「お客様に喜ばれるコール」を目指すとしています。ある会社の事例を通し、モニタリングチェックの効用について具体的に検証してみました。どうでしょうか。ご理解して頂きましたか。

なお、同社事例企業様の各責任者の方々から、お言葉を頂きました。それも合わせて加えておきます。ご参考になれば幸いです(これは筆者が雑誌原稿執筆の際に取材した内容です)。

録音を聞き自ら課題発見営業スキルも明確化:責任者談(1)

センターは、セールスの中で重要な位置を占めています。私は営業出身だったこともあり、コミュニケーターの教育は営業マンの育成と同じようにするべきだと考えていました。そのため、モニタリングの実施により通り一遍のトークを強要され営業とかけ離れてしまうことを心配していました。

しかし、むしろモニタリングは、今まで曖昧だった「営業に必要なスキル」を明確化しました。また、録音した自分のトークを聞いてみて、自信があった営業スキルに不足を感じ、ショックと同時にそれに気付けたことに感謝しました。研修の中でシステマチックに提示されたことが、そうした課題発見に繋がったのだと思います。

コールの成否を客観的に評価第三者視点の必要性:責任者談(2)

私は、以前からモニタリングに関心がありましたが、実施方法や結果の活かし方が釈然としなかったこともあり、二の足を踏んでいました。しかし、モニタリングの実施を経た結果、正しいコールと間違ったコールの意識づけができたことは非常に意義があり、第三者視点のチェックというものの必要性を強く感じました。

モニタリングにベテランこそ期待現場に刺激と緊張感:責任者談(3)

新人のころ、SVからモニタリングを受けましたが、通り一遍のフィードバックは業務に活かせず、その後自分がSVになった時もモニタリングの必要性に疑問を持っていました。また、自分よりキャリアの長い人は、今更モニタリングのような特別指導の必要はないと思っていました。しかし実際には、モニタリングに対しベテランコミュニケーターの方が指摘を期待していることがわかり、大変驚きました。

モニタリングチェックは現場によい刺激を与え、コミュニケーターもSVもこれまで以上に緊張感をもって業務に当たるようになり、フィードバックにも自然と力が入りました。外部のチェックは、一定の基準やプロセスによる実行を促すので効果が高いと思います。モニタリングは定期的な実施にこそ意味があると思うので、今後も続けたいと思います。

個人任せによる育成の限界第三者指摘ですくいあげ:責任者談(4)

従来は、トークは先輩から受け継いだものを各自がアレンジし、ベテランはキャリアの浅い後輩に修正すべき点を指摘するという個人任せの育成を行っていました。しかし、これでは気付けないことや言いづらいことは見過ごすことになります。第三者のチェックは、そうした取りこぼしの部分をすくいあげてくれました。

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