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7.これだけ多くの効果・効用があるモニタリングチェック

効果的なモニタリングとは、まず担当者とのヒアリングから企業目標やセンターのビジョンを具体化し、評価する側もされる側も理解しやすい明確な評価基準を盛り込んだチェック項目を作成した上で実施します。

そうしたモニタリングこそ、コミュニケーターの品質向上を促し、さらに営業成績の伸びにも繋がり管理者にインパクトを与えます。モニタリングチェックの実施による具体的な成果として、コミュニケーターの意識の変化、営業成績の向上、管理環境の改善、コミュニケーターの人事評価基準の見直しなどがあります。

効果的なモニタリングチェックには個々のセンターの課題抽出やその課題に即した評価指標策定が重要です。

コミュニケーターに目標を伝え、管理者にフィードバック方法を教育

コミュニケーターは社員が中心で、もともとセールスの実績は決して低くはありませんが、さらなる飛躍を目指しモニタリングプログラムの導入を決定した企業のモデルを紹介しましょう。

プログラムは、以下の4段階で構成しています。

プログラムの流れ

全体で約4ヵ月という、かなりスピードアップしたプログラムでしたが、その効果は現場から管理環境まで多岐にわたって顕著になります。

CS意識、課題明確化、管理環境の改善等効果で営業成績も向上

具体的な成果の概要は、以下の6点です。

(1)目指すべきコールの明確化と共有
・どのような言葉、どういったトークの流れが「良い」(または「悪い」)のかが明確になった。
・技術的な指標が明らかになった。
・望ましいコールの抽出につながり、センター全体で共有ができた。

(2)コミュニケーターの意識の変化
・常に「良いコール」に近づこうとする意識をもって業務にあたるようになった。
・マンネリ化していたセンター内の雰囲気が改善し、モチベーションがアップした。
・セールスプロセスの一部としての役割をより意識するようになり、自分のコールがセールスにどのような影響を与えるかを考慮するようになった。
・CS(顧客ニーズ、顧客ケア)マインドが芽生えた。

(3)トーク技術の向上
・声や話す言葉、会話の流れなど、全般的なトークスキルの改善されたコミュニケーターが多数みられた。

(4)営業成績の向上
・最終成約が改善(営業目標の達成者率が約5倍に増加)された。

(5)管理環境の改善
・主観に左右されない、平等かつ具体的な評価とフィードバックが可能になった。
・全体的に不足しているスキルや知識が明らかになり、教育の方向性が明確化した。

(6)コミュニケーターの人事評価基準の見直し
・営業成績に加えて、顧客マインドなど新たな基準の導入を検討する必要があることが明らかになった。

上記の6点を、順次詳細に検証しています。

まず、1)「目指すべきコールの明確化と共有」や、2)「コミュニケーターの意識の変化」は、一見効果が現われるのに時間がかかりそうだが、コミュニケーターのトークに著しく表れます。実際に会話テープを聞くと、コミュニケーターの姿勢に明らかな違いが出ていることがわかります。

モニタリングチェックでは一人のコミュニケーターについて複数コールを聞くのですが、どのテープを聴いても、多くのコミュニケーターが以前にはなかった目的意識を持って、コールを実施していることが感じ取れます。具体的には「目指すべきコール」というゴールがしっかり定まっただけでなく、「CS(顧客ケア、顧客ニーズ)マインド」が意識できるようになっています。

コミュニケーターの意識変化は、業務としてコールを聞く評価者が感じますので、顧客にも間違いなく伝わり、それは顧客マインドやその後の行動に大きな影響を与えます。コール終了時にアポイント日時など具体的な結果がなくても、かなり良い感触でクロージングすることが多くなります。

例えば、アポイント確定の保留理由が、「断る口実」ではなく具体的な「日時の確認」となるなど、顧客側が後日再コールを約束するケースが多いのです。電話対応で好印象を残せば、営業スタッフもスムーズに商談を進めることができ、最終的な成約率にも大いに貢献します。実際には営業目標の達成者率が飛躍的に増加しています。

一方、コールセンター運営に関わる方々にとっては、より具体的な成果である、3)「トーク技術の向上」や、4)「営業成績の向上」が非常に注目されるところでしょう。それでは3)「トーク技術の向上」について解説します。

同事例では、モニタリングチェックを2回実施し、評価シート全項目の総得点平均は1回目に比べ飛躍的にアップしています。数十に及ぶ項目のほぼすべてが改善され、平均点、最高得点、最低得点も上昇しています。

これは、多くのコミュニケーターにモニタリング指標が浸透した結果です。「モニタリングチェックによる明確な評価基準と各個人への改善点の提示が、コミュニケーターに良い刺激を与え、意識改革へと導いています。モニタリングで知識吸収の素地を作ることができたため、研修での反応も良かった」という言葉も同社から頂いています。

このように、意欲の高まったタイミングでの学習こそ有効ですが、習得のチャンスはモニタリングや研修だけではありません。その後の"現場の指導"も効果を発揮します。例えば、「良いトーク」について休憩時間などに話し合ったり、朝礼時に望ましいフレーズの練習を行ったりすることは、モニタリングや研修で得たものを定着させることも可能です。「モニタリング - 研修 - 現場の指導」という一連をプログラム化することで、各フェーズの相乗効果が生まれ、コミュニケーターのポテンシャルを最大限に引き出すことができます。

もちろん、短期のプログラムですべての問題が解決されるわけではなく、現場での指導は、全てのコミュニケーターに浸透するまで長期的な取り組みが必要です。しかし、すぐに結果が出なくても悲観的になることはありません。今後取り組むべき課題を明らかするだけでも意義は大きいのです。問題発見は、解決するのと同じくらい難しく、問題点が明確化できれば改善に向けて施策を検討可能と考えてください。

また、4)「営業成績の向上」については、モニタリング効果の良い裏付けとなっています。コミュニケーターに営業目標を持たせるのですが、モニタリング実施後、目標達成者率が約5倍になったこともあり、その要因はモニタリングだけではなく他要素も考慮するべきですが、営業成績という数字に裏打ちされることで、運営者は自らの施策に自信を持つことができコミュニケーターへの指導にも積極的になります。

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