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2.顧客視点・企業視点のバランスとは何か?

顧客視点・企業視点のバランスとは何か?

効果的なモニタリングとはどういったものでしょうか。少し詳しく述べましょう。モニタリングの重要性は、統一的な評価の基準を設けて実施することにあります。さらに、この評価基準の策定を間違えるとモニタリングの効果は得られません。モニタリング自体は決して新しい概念ではなく、従前から必要性が叫ばれ実施されてきましたが、これまでのモニタリングはマナー面を重視する傾向が強かったのです。

従来のモニタリングでは、感じの良い対応が最も重要視され、マナー評価が主流でした。「きちんと挨拶ができているか」「聞き取りやすい声か」「聞き取りやすいスピードで話しているか」などが評価項目の代表例です。しかし、感じのよい対応だけが本当に顧客ニーズでしょうか。

例えば、ISP(インターネット・サービス・プロバイダー)やパソコン、ソフトウエアなどのヘルプデスクに寄せられる利用者の声は、「電話のつながりやすさ」「一度の電話でトラブルが解決すること」「コミュニケーターが商品について十分な知識を備えていること」などです。

つながりやすさは、センターのインフラに起因していますので運営のレベルで解決しなければなりませんが、その他の要望では、感じの良い対応よりも応対内容を重視視しています。コールセンターが、お客様相談室的な部分から始まりCSを担うことが多かったという背景によるものと思われます。

しかし、昨今のコールセンターは、「コンタクトセンター」と呼ばれるようになってきていることからもわかるように、顧客との接点全般に関わるようになってきています。センターの役割も、商品の案内からアポイントの獲得、セールスのクロージングまで販売のあらゆるフェーズで機能し、サポートという形で商品(サービス)の中核となりつつあるのです。

その結果、顧客側・企業側相互のコールセンターに求めるニーズは多様化しており、今後のモニタリングは、顧客視点・企業視点の両方をバランス良く取り入れなくてはなりません。

一方、ロイヤルカスタマー向けのケアを行うセンターでは、顧客は自分が特別な存在だと自覚しており、企業から手厚くケアされることを期待しているため、感じのよい対応は依然として至上命題です。

次に、企業視点はどうか。企業は、基本的に収益貢献するセンターを求めています。それは、1件でも多い成約(セールス)を獲得(あるいはそれに貢献)する、または1件でも多い離反(解約、他社へのスイッチ)を防止することであり、さらに運営コストの効率化も含んでいます。

ただし、どういう顧客を獲得するのか、何件獲得するのか、1件の対応にどれだけ時間を割くかはその企業の業種や商品の内容、コールセンターの機能や位置づけによって多種多様です。

高額商品を扱うセンターは、1件の獲得に投下できるコストが大きくなり、消費財の場合では、効率的な処理が求められます。また、新規顧客獲得か、既存顧客維持かによっても異なりますし、同業他社の対応やクライアント企業の求めるレベルも影響します。

実際、コールセンターの顧客対応レベルは業界によって大きく差があり、例えば、クレジットカードや通信キャリアは、電話コミュニケーションを早くから重視してきたため、業界全体の対応レベルが高いと言えます。

このように、顧客視点と企業視点は、相互共に多様化の一途をたどっていますが、基本的に対立する場合が少なくありません。過剰な顧客視点重視は運営コスト増加を避けられず、過剰な企業視点重視は顧客の利便性を損ないます。両者の要望を満たす「落としどころ」を決めることが最も大切なことです。

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