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15.競合他社との品質の違いを客観的に評価しよう!

ミステリーコールの実施手順とポイント

(1)ミステリーコールの有効性

モニタリングはコールの理想形を具現化し、基準に照らし合わせて実際に行われている会話を評価するものです。しかし、センター内での品質評価だけではなく、自社以外のコールセンターとの比較が必要な場合があります。外部との品質比較の有効な手段としてミステリーコールの実施方法や効用などについて解説します。

(1)ミステリーコールとは

ミステリーコールとは、主としてインバウンドセンターを対象としてセンターの応対の実情を把握するため、実際の顧客に成り代わってコールセンターの対応を調査することです。いわば覆面調査の電話バージョンと言えます。電話応対の品質を調査するという点ではモニタリングと似ていますが(モニタリングとの違いについては後述)、自社センターだけでなく競合他社の応対品質を評価する点が大きな違いです。

一般的なマーケティング戦略において、競合対策は業界を問わず重要な柱となりますが、コールセンターも例外ではありません。昨今の一般消費者は、情報収集に積極的で、商品自体だけでなくサービスも比較の対象であり、コールセンターの対応も重視されているためです。

加えて、コールセンター側の事情もある。自社センターの運営に手一杯で、競合のセンターの状況を把握していないケースは意外に多いのです。センター内には常に課題が山積しているため、「うちはまだ外部と比較するというところまで行っていない」と考えて、見えている課題への取り組みを優先しがちですが、外部との比較をした結果、課題解決の方向性が変わってくる可能性も十分にあります。したがって、内部の課題解決→外部との比較・課題の抽出という順序は必ずしも適切でないと考えてください。

(2)ミステリーコール実施の手順

ミステリーコールはそれほど複雑な調査手法ではないが、実施方法によって得られる知見が異なるため、適切な手順を踏むことが重要です。ミステリーコールの標準的な実施ステップとしては次のようになります。
1)自社コールセンターの課題と調査(ミステリーコール)で知りたいことをまとめる
2)1)でまとめたポイントを調査するためのシナリオを検討する
3)調査概要を決定する
4)シナリオに沿ってコールを実施する(録音)
5)4)のコールを評価する
6)評価結果を分析し、課題を整理する

ミステリーコールに限らず、全ての調査では、事前の仮説設計と調査結果による検証が重要です。したがって、(1)では自社の目指す理想のコールとの比較という視点から「知りたいポイント」を設定することが肝要です。「知りたいポイント」はその時の状況によって異なりますが、たとえば、競合を含めた自社センターのレベル、コールフロー(会話の流れ)の確認、具体的なトーク(会話の内容)の違いなどといった具合となります。

そのため、(2)のシナリオは、(1)で設定した「知りたいポイント」が確実に聞けるよう、具体的に作成しなければなりません。まずは、顧客を装った調査員の想定プロフィール(性別や年齢、商品に関する考え方、取引履歴など)、注文したい商品あるいは解決したい課題の内容、会話の大体の流れなどから決めると考えやすいのです。

既にセンターでオペレーションを実施している場合は、実際に多く見られるケースを参考にすると、よりリアリティのあるシナリオとなり、現状に近い評価を得ることができます。なお、聞き方によってコミュニケーターの答えが変わり、想定していたシナリオどおりに会話が進まないケースも場合もありますので、会話のキーポイントとなる部分では、「どのように聞くか」まで規定する大切です。

(3)では、調査の日程や対象とコール数などを決定するが、このとき、適正規模を検討します。調査サンプルを多く確保する方が信用性の高い結果を得られると考えるむきもありますが、適切に設計・実施されれば、一定のサンプル数で正しい結果を得ることは十分に可能です。

とくに、競合他社との定期的な品質比較など、継続的な調査実施が見込まれる場合や、業務改善を前提として調査を実施する場合などでは、「調査のための調査」となっては意味がないので要注意と言えます。

(4)では、必ずサンプルコールを録音すること。調査サンプルのソース保存という意味合いはもちろんですが、自社センターのコールと異なり、他社センターのコール収集は容易でない場合も多いからです。サンプル収集の際、センターによってはなかなかつながらない場合やIVRで目的別に振り分けられる場合もあるが、これらの内容もしっかりと記録しましょう。

ミステリーコールはサンプル数に制限がある場合もあるので、あくまで参考値とすべきですが、時間帯によるつながりやすさやIVRの使い勝手など、応対内容以外の品質も顧客の満足度に大きな影響を及ぼすファクターであることは言うまでもありません。自社の状況と比較してみると良いでしょう。

最後に、(5)では、基本的に自社で使用しているモニタリングシートを用いてサンプルを評価することが多いと思います。モニタリングシートにはセンターが目指す理想のコールが評価基準として反映されていますので、それに対して他社がどの水準にあるのかを明確にすることができます。

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