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13.目的別のモニタリング評価基準の設定とは

(1)獲得型コールの場合

A社のセンターの主たるアウトバウンドコールは2種類ありました。1つめは、取引履歴がある顧客に対し、メリットのあるメンバーシップカードの申し込みをお勧めするというものです。そのカード自体は顧客側のメリットが大きく商品力があり、高い成果が期待されると同時に、その後のA社の顧客囲い込み戦略上、非常に大きな影響を及ぼし、全社的にも重要な施策でした。

コールの目的はシンプルで、1件でも多くカード加入の申し込みを獲得することです。そのため、スクリプトもカードのあらましやメリットにフォーカスした内容にまとめ、顧客の「理解」(どんなカードなのか)と「納得」(顧客にとってどんなメリットがあるのか)を得ることに注力しました。また、モニタリングの評価基準は、スクリプトの内容に応じて必要な要素が盛り込んで頂きました。

また、顧客はA社に対し、潜在的に高いロイヤリティを持っていることが事前に分かっていたため、A社の信頼性・ブランドを維持・向上させることも重視しました。まず、基本となる「スキル」(電話でコミュニケーションする上での基本的な技術)では、A社の代表として恥ずかしくないレベルのトークを目指し、オープニングや言葉遣いや声、会話の間や傾聴の姿勢などの細かなトークスキルのチェックに重点をおいたのです。

獲得型コールに不可欠な要素として、会話のキャッチボールにつながる投げかけや顧客の返事に対する受け答え方なども評価基準に含めました。さらに、コミュニケーターの姿勢を規定する「マインド」では、「社の代表として相応しい態度かどうか」という一般的な内容に始まり、「商品を魅力的に伝えているか」「コールの最終的なゴールを意識して努力・工夫をしているか」といった獲得型アウトバウンドコールに不可欠な目的意識の確認までを盛り込んでいます。

また、お勧めするカードの機能は多岐にわたっていたため、商品に関する「知識」もモニタリング評価基準の重要な要素としました。

(2)相談型お勧めコールの場合

前述のコールは比較的シンプルな内容であったのに対し、次に紹介するコールは顧客のこれまでの取引履歴を考慮して、個別に商品のお勧めをするコンサルティング要素が必要なコールで、より高レベルの内容となります。

このコールは、当プロジェクトの開始前から実施されており、現在の課題を明確化するため、モニタリングによる現状調査を実施した上で、スクリプト作成や評価基準の見直しなど一連の業務に着手することになりました。

調査の結果、1)会話が不必要に長くなる傾向が見られること、2)コールの目的そのものがわかりにくいこと、3)顧客側の知識レベルが非常に高く、コミュニケーターのレベルアップが求められていること、という3つの課題が明らかになりました。

3つの課題のうち、1)2)はコールの内容に起因しています。このコールは、これまで購入した商品や好み、予算などによってカスタマイズ可能な仕組みであったため、顧客の話を詳しく聞く必要があったのです。

その結果、どうしても最終目的(商品のお勧め)にフォーカスすることができず、ヒアリングや商品の相談が延々と続き、会話の目的を見失ってしまいます。当然ながら会話が冗長になって、通話時間も長くなり「結局何の電話だったの?」という事態に陥ってしまっていました。

そこで、会話の流れとコールの本来の目的を明確化したスクリプトを開発して会話をコンパクトにまとめ、それをベースにモニタリング評価基準を検討。具体的には、通常、「スキル」「マインド」「知識」といった分野別に評価項目を設けるところ、それらの3分野に加えて、スクリプトの流れと連動する形でセールスプロセスの評価を導入しています。

具体的には、「オープニング」→「電話の目的の伝達」→「顧客の好み・ニーズの把握」→「顧客に合った商品のお勧め」→「顧客の行動(購入)を喚起するための投げかけ」→「クロージング」といった各プロセスに合わせた項目を設ける格好となったのです。

このように、セールスプロセスと連動した評価項目を導入することにより、コミュニケーター自身が会話の構成を意識するようになる一方、管理者サイドはどこまで会話を進められているか、という点についてもチェックできるようになりました。

実際、こうしたセールスのコールでは、ヒアリングができない、クロージングに結びつかない、といった課題が発生することが多いのですが、プロセスを整理して評価することで、コミュニケーターが躓きやすいポイントが明確になり、対策を講じることが可能になりました。

さらに、3)については、通常のモニタリング評価項目の「知識」で、「顧客の立場にたった場合に要求される水準の知識」をチェックするのに対し、「コミュニケーターが備えるべき知識レベル」を細かくチェックする仕組みを別途導入することを決定して頂きました。

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