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5.コール等業務設計に必要な3要素とは

コール設計とは、「何を」「どう」話すかをデザインするということです。そのために必要な3つの要素が、スクリプト、モニタリング、トレーニングである。以下では、各々の設計方法やポイントを解説します。

(1)スクリプトの設計

コール設計は、コールの「内容」と「話し方」をデザインするものですが、このうち内容について規定するのがスクリプトです。スクリプトは、コミュニケーター(オペレータ)が顧客と話をする際の台本であり、その主要な役割は、会話の流れをリードし、会話の質を一定レベルに保つことにあります。従って、コールが目的を達成できるか否かはスクリプトの出来いかんによって決定すると言っても過言ではありません。

コールセンターで用いられるスクリプトには、大きく分けると2種類あり、文言までを細かく決める「セリフ型」と会話の流れとそれに対応したトークの目安を供給する「ガイドライン型」があります。前者は今まで広く用いられてきた従来タイプです。

1)応対内容の統一化が可能、2)コミュニケーターのスキルによらず一定レベルの応対品質が確保される、3)教育プロセスが比較的シンプル、4)通話時間のバラつきが少ないといった利点があり、現在でも多くのセンターで採用されています。

最近では、商品の販売形態が複雑で、取り扱う商品のバリエーションが多いという理由から、「セリフ型スクリプト」が適さない業務もあります。とくに、顧客の反応によって臨機応変に受け答えが要求される高度なコールにおいては、一言一句に至るまでスクリプトに管理される「セリフ型」では対応しきれないため、「ガイドライン型スクリプト」を使用するケースも増えています。

これは、具体的な説明の範囲や内容をある程度コミュニケーターの裁量に任せ、自由に会話を組み立てられるようにするという方法です。金融や通信に代表されるような、相手の要望やこれまでの取引履歴に応じて商品を提案するコールなどが適しています。しかし、「ガイドライン型」を用いる場合、スクリプトに頼らずに会話を組み立て、リードする能力が必要であり、スキルの低いコミュニケーターが多いセンターでは安易に活用すべきではないのです。

(2)モニタリングの業務設計

スクリプトで規定された内容を「どう話すか」をハンドリングするのがモニタリングです。どんなにすぐれたスクリプトでも、話し方によっては、本来の持つ効力を発揮することは難しいのです。

思ったような成果があげられないセンターの中には、スクリプトを供給するだけでモニタリングによる指導が実施されていない場合も多く、同じことを話していても、その声色や伝え方、雰囲気によって同一のトークとは感じられないコールがあちこちに見受けられるといった状況になっています。

モニタリング評価項目が、「コミュニケーションスキル」「マインド」「知識」の3軸に基づき、コール内容や目的に沿って検討されることは前項でも述べましたが、アウトバウンドのモニタリングの場合、基本的には目的(数字の)達成という視点が特に重要視されます。このため、前述したアウトバウンドの特性や成功のためのポイントを加味することが肝要であり、会話の大まかな流れに沿って項目を設定すると良いでしょう。

アウトバウンドにおける会話の流れのフレームを整理すると、1)会話継続の合意形成をする(開始後約20秒までの間)→2)商品(サービス)メリットへの共感を得る→1)購入やアポイント獲得の意思決定を促進する、となります。

これらは、内容自体はどれもスタンダードなものです。実際の項目設定に際しては、より具体的かつ詳細に規定します。例えば、1)の名乗りでは、最短の時間で顧客の心理的バリアを解く名乗り方を規定し、2)の声質ではあくまでそのコールにふさわしい声質を決めます。

声質は、従来マナー寄りの項目と見なされがちでありましたが、言葉の意味よりも先に相手の抱く印象を決め、気持ちを左右するという意味で非常に重要な役割を負うものです。3)のコール目的の理解では、自分にメリットがあると感じさせられるかを確認し、4)の商品説明は具体的な文言だけでなく自社商品がどれほどよいかを気持ちをこめて伝えるかといった総合的な面から判断するのがポイントとなります。

「意思決定の促進」は、アウトバウンドでも難しい部分のひとつであり、5)のニーズの引き出しを苦手とするコミュニケーターも多く、具体的な指針を示す必要があります。

例えば、顧客の話した内容をコミュニケーターが傾聴の姿勢で顧客の話を聞き、その後話の内容を要約して確認するなどの業務フローを設定しておくことが重要です。

さらに、6)の適切なお勧めでは、どの程度お勧めするのか、センターの方針を明確にしなければなりません。何を勧めるのか、あまり乗り気でない顧客や一度断った相手に対してどのようなアプローチで勧めるのか、「とりあえず」試すような商品はあるのかなどについて、あらかじめ定義する必要があります。"獲得"に対するセンターの姿勢が、最も顕著に表れる箇所だと言えます。

なお、アウトバウンドの場合、モニタリングはスキルアップを支援するだけでなく、モチベーションを保つという重要な役割をも負うことがあります。アウトバウンドは顧客の拒否感が強く、心理的な負担(ストレス)も大きいため、積極的にコミュニケーターを支援する必要があるからです。

"ほったらかし"は最もモチベーションを低下させる要因で、最悪の場合は離職へとつながります。適切なモニタリングとフィードバックの実施を通して、「(マネジメント側が)業務をきちんと見ている」という姿勢を態度で示し、スキルアップという目標を与え励ますことが効果的です。離職による人材流動が運営コストを圧迫しているという事実からも、モニタリングの重要性は再確認されるべきしょう。

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