HOME » コールセンター運営ノウハウ » ネット読本 » モニタリング応用読本 » 3.モニタリング運用時の5つのポイント


テストモニタリングが終了したら、いよいよ実際のコールモニタリングをスタートします。ただし、せっかくの評価基準も正しい運用なしには十分な効力を発揮しません。そのため、最大限の効果を引き出すための5つのポイントを説明しましょう。
クレーム発生や大量退職、新人採用時など、クリティカルなタイミングでの散発的なモニタリング実施は、その時点での状態を把握するという意味において非常に有効です。ところが、理想のコール実現という目的を達成するには、長い時間をかけて課題を一つ一つ解決していかなければなりません。
このため、定期的かつ継続的なモニタリングが欠かせないということになります。一定のインターバルでモニタリングを実施し、課題の発見→修正→チェックというサイクルを繰り返すことで、コールセンター全体のレベルアップが図れるからです。
なお、こうした努力の結果、理想とするレベルが達成できた場合でも、モニタリングを中止することは避けましょう。コールセンターのオペレーションは、「生き物」であり、人員の入れ替えやコール内容の変更などの影響を受けやすい性質を持っているからです。したがって、どのような状態にあっても、最低3カ月程度に1度を目安としてモニタリングを実施し、良い状態にある場合はレベル維持を、課題がある場合は解決に努めることが望ましいのです。
コールセンターにおけるモニタリングの目的は、コミュニケーターの「あら探し」ではなく、理想のコールを実現することです。したがって、評価を受ける側であるコミュニケーターがマネジメント側の意図と評価項目の内容を十分に理解しなければなりません。
モニタリングは実施する前に、その目的やセンターが(マネジメント側が)目指す理想のコールイメージ、理想のコール実践のために必要なスキルなどを説明することが不可欠です。これらが理解されていれば、モニタリングは現場に抵抗なく受け入れられるだけでなく、スキルアップのための貴重な機会としてモチベーションアップにもつながります。
ただし、冒頭にも触れたが、評価基準がコールセンターのミッションと矛盾していると、コミュニケーターの混乱を招き、レベルダウンやモチベーションの低下につながりやすいため、注意しなければなりません。
モニタリングは、ただコールを聞くだけでなく、評価結果をコミュニケーターにフィードバックしてこそ効果が得られるため、プロセス全体を通じた担当者への負荷は小さくありません。そのため、現場管理の片手間に実施するという体制では、日々の業務に追われてどうしても後回しになってしまうことがあります。実際、多くのコールセンターで定期的にモニタリングが実施されない理由はここにあります。
定期的なモニタリング実施のためには、必要な稼働を算出した上で、既定業務として担当者の職責と業務スケジュールに組み込むことが重要です。さらに、負荷分散のためには、複数の担当者育成も大切です。では、モニタリングに必要な時間の計算方法はどうすればいいのでしょうか。

1人あたりざっと2時間というのが目安ですが、この他にサンプルコールの抽出にかかる時間なども考慮して総稼働時間を算出し、実施計画を立案する。品質評価専任の担当者がいない場合が、1人あたりの評価に2時間かけるというのはかなり負担が大きいと言えます。
マンパワー不足で適切なタイミングでの実施が難しい場合は、担当者の負荷軽減を検討することが欠かせません。モニタリング業務のアウトソーサーなど第三者の活用も視野に入れて検討すべきです。
さらに、コミュニケーターが自分自身のコールを評価する「セルフモニタリング」も効果が高いのです。評価基準を理解しているうえ、彼らの多くは自身のスキルレベルを確認したいという欲求を持っています。自ら課題を認識するという意味では、スキルアップの近道と言えます(ただし、結果は人事評価に組み入れるべきではありません)。
モニタリングは、個々人のパフォーマンス評価だが、全員の結果を俯瞰的に見ることで、センター全体の傾向や課題を把握することができます。そのため、モニタリング実施に際しては、個人評価とセンター全体評価という二つの視点を持つ必要があります。
個人を評価する場合には、1人につき複数のサンプルを収集し、顧客との相性やコール内容に左右されることなく真の実力を公平に評価しなければなりません。評価はそのコミュニケーターの問題点や前回と比較した成長度など、個人のスキルにフォーカスします。当然、個々へのフィードバックは必須です。
センター全体を評価する場合は、コミュニケーター全員について複数のサンプルを取って調査する必要はなく、全体の数字や傾向を読むのに十分なサンプルを集めてモニタリングしましょう。評価の視点としては、顧客のニーズはどこにあるのか、スクリプトなどに不具合はないか、不足しているスキルや知識はないか、コミュニケーターのモチベーションはどうかなどです。このような視点で見ると、センター全体の課題が見えてきます。その課題に対して、迅速に解決のための施策を講じる必要でしょう。
実際のコールを聞くことで、顧客がその企業に何を求めているか(コールに対する期待値)を意識することも大切です。
顧客の期待値は、コール内容や商品内容、企業ブランドによりさまざまで、例えば、高額商品を取り扱う企業やブランドイメージの高いコールセンターでは全ての分野で高いレベルの対応を求められるのに対し、廉価商品や知名度の低いコールセンターでは、それに応じたレベルの要求に留まってしまいます。
いずれにせよ、顧客が期待する水準を下回ると満足度は急激に低下するため、常に顧客視点を持つことが必須です。